東京都相談支援専門員ネットワーク設立趣意書

1.名称

 東京都相談支援専門員ネットワーク

2.障害者ケアマネジメントの誕生と理念

 1997 年、介護保険制度の導入が決まった頃、厚生労働省障害担当部局で「障害者の多種多様な制度を充実させ、1 人 ひとりの生活に合わせた福祉・保健・医療・教育・就労など多様なサービスを実現していく」ために「障害者ケアマネジ メント」という手法が導入されました。障害者ケアマネジメントは、障害者の自己選択・自己決定1を基本として、障害者 のエンパワメントを支え、障害者本人が自らの生活や人生を決めていくための支援方法です。

また 2011 年には障害者権利条約への批准を前提として障害者基本法の全面改訂が行われました。障害者基本法の第三 条「地域社会における共生」には、「全ての障害者が、障害者でない者と等しく、基本的人権を享有する個人としてその尊 厳が重んぜられ、その尊厳にふさわしい生活を保障される権利を有する」と書かれています。

そして 2012 年、この障害者基本法に基づいて作られた障害者総合支援法で計画相談支援が始まり、その担い手として の相談支援専門員が位置付けられました。

 

3.相談支援専門員ネットワークの必要性

 私たち相談支援専門員は、障害者ケアマネジメントの理念と手法を受け継ぎながら、ご本人の意思中心の支援の実践、 更には社会資源の改善及び開発を推進する役割を求められています。障害者基本法の「地域社会における共生」の理念を 具現化する役割を課せられているのです。

私たちは、このような障害者ケアマネジメントを原点とする相談支援の理念を尊重し、自らの力量を高めると共に、お 互いにつながり支え合うネットワークを作ることが必要であると考えています。

 

4.相談支援専門員ネットワークの取り組み

これまで東京都では、障害種別毎あるいは事業形態ごとに連絡会などがつくられて来ました。しかし計画相談支援によ って、これまで当たり前であった障害種別という垣根を超え、相談支援専門員同士がつながり、情報を共有し、自己研鑽・ 相互研鑽していくことが必然となりました。それは、どのような障害種別にかかわらず、障害のあるご本人中心の支援が 当たり前であることを、私たち相談支援専門員が相談支援の実践から感じ、気づいたからです。

また、いわゆる身体障害・知的障害・精神障害にとどまらず難病や子どもの育ちの問題など、相談支援が対象とする領 域は拡大を続けており、様々な英知が集積され、互いに学び合う環境が求められています。それぞれが得意とする領域を 持つ相談支援専門員が集まることで、情報を共有し、研修等を通じて知識や技術の継承がなされていく仕組みが必要です。

私たちは、障害当事者が地域でいきいきと暮らせる社会をつくるために、東京都相談支援専門員ネットワークを設立し、 東京都における相談支援を担う人材を育成していく必要があります。そこで様々な研修を通じた自己研鑽の場の必要性を 強く感じています。

このような活動が、相談支援に従事する相談支援専門員一人ひとりの支援の質の向上に資するものとなり、ひいては「障 害者の自己選択・自己決定 (*1) を基本として、障害者のエンパワメントを支え、障害者本人が自らの生活や人生を決めてい くための支援」の拡充につながっていくと考えています。


5.相談支援専門員ネットワークへの呼びかけ

私たちの活動についてご賛同いただき、ここに掲げた趣意に賛同していただけるすべての相談支援専門員に、私たちの 活動への参加を広く呼びかけます。

2018 年 5 月 14 日

東京都相談支援専門員ネットワーク設立発起人一同

(*1) 自己決定が難しいと思われている障害者でも、支援者を含めた自己決定支援の手法はあります。